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こんにちは。谷口です。
近年、IT業界で人材不足が叫ばれています。ただ、だからといってエンジニアを募集している企業に応募すれば、誰でも採用されるわけではありません。
少し厳しいことを言いますが…企業側も、正直教育コストがかかる未経験者よりは、すぐに活躍してくれる経験者がほしいと思っています。ですから、未経験者はそれなりに厳しい目で選考されるのが現実です。
ただ、未経験者の場合、面接で聞かれる質問と、面接官の意図(≒何が知りたくてそんな質問をするのか)は大体決まっています。これらを知って受け答えを考えておけば、未経験者でも面接通過率はぐっと上がります。
というわけで、今回は「未経験者がエンジニア職の採用面接で必ず聞かれる質問」と「面接官の意図」についてお話しします。
未経験者によく聞かれる質問の背景と対策
「なぜエンジニアになりたいのですか?」
「エンジニアって具体的にどんな仕事だと思っていますか?」
「自分のどんなところがエンジニアに向いてると思いますか?」
◇面接官の意図
- エンジニアの仕事を「周りとコミュニケーションとらずに済む」「PCに向かってさえいればいい」「楽に手に職つけられる」とか思ってない?
◇解説&対策
志望理由については、「好きなアプリやゲームがあって作りたいと思った」とか「プログラミングに関するニュース記事を見て興味を持ち、自分で勉強してみたら楽しかった」とか、自分の経験ベースで話せるといいでしょう。
面接で直接「積極的にコミュニケーションとらずに済みそうだからエンジニアになりたい」と言ってしまう人はあまりいない…かと思いますが、「どんな仕事だと思いますか?」と聞かれて「プログラミングをする仕事…」だけで終わってしまうと「エンジニアの仕事について具体的にイメージできてないまま応募してきたな」と思われてしまいます。
また、以下のようなことを考えてエンジニアを目指している人は要注意です。
- 周りとコミュニケーションとらずに済む
→一人でシステムをすべて作れるわけではない。周囲の人と一緒にものを作るので、コミュニケーションや情報交換は必須。企業によっては要件のすり合わせやマネジメントなど、社内外問わず積極的なコミュニケーションが必要な場合も多々ある。
- 言われたものを作っていればいい
→エンジニアが設計や企画から考えなければならない企業や開発チームも多々ある。
- 最初に一定の勉強をすれば手に職つけられる
→一つの技術を覚えたら一生安泰な職業ではない。むしろ言語のアップデート、新しいツールの登場などが常にあるため、知識も常に更新していかなければならない。技術が好きな人でないとこの仕事を続けるのは難しいです。
このように、志望理由が勝手なイメージ止まりだと、ネガティブな印象になるだけでなく、実際には全然当てはまらない場合もあります。最低でも応募先の仕事内容についてはリサーチしておきましょう。(paizaのカジュアル面談で「エンジニアの皆さんの普段のお仕事の流れを教えてください」などと複数企業に聞いてみるのも参考になります)
※カジュアル面談について詳しくはこちら
「エンジニアになれたらどんな仕事がしたいですか?」
「将来どんなエンジニアになりたいですか?」
「エンジニアになれた後のキャリアプランはありますか?」
◇面接官の意図
- 入社したら仕事をちゃんと続けてくれる?すぐ辞めない?
- エンジニアとして将来的なイメージはできてる?
◇解説&対策
当然ですが、経験者よりも未経験者のほうが教育コストがかかってしまいます。どの企業も、すぐに辞めてしまいそうな気配がある未経験者なんか採用したくありません。将来的になるべく長く勤めてくれそうな、モチベーションのある人を採用したいと思っています。
面接で「自分はすぐ辞めます」と言う人はいないかと思いますが、例えばB2Bの業務系システムを開発している企業に行って「将来はゲームを作るエンジニアになりたいです!」と言われても「何でうちに応募してきたの?」となってしまいますよね。
将来的な質問に対しては、「今はまだ知識も経験も足りませんが、業務と勉強に取り組みつつ、Railsを使ったWebサービスの開発手法を一通り覚えていたい」「3年もたてば部下もできていると思うので、ある程度マネジメントもできるようになっていたい」などといったイメージができているといいかと思います。
そのためには、長期的なキャリアプランまでは考えつかなくてもいいので、応募先の事業内容・仕事内容・使っている技術を調べてイメージしてみたり、他のエンジニアの記事を読んだり話を聞いたりしていろいろなモデルケースを知っておくといいでしょう。(paizaのカジュアル面談で「御社のエンジニアではどんなキャリアを積んできた方がいますか」などと複数企業に聞いてみるのも参考になります)
※paizaのカジュアル面談について詳しくはこちら
「前職を続けようとは思わなかったのですか?」
「なぜ転職をしようと思ったのですか?」
◇面接官の意図
- 前職から逃げるためだけの目的で違う仕事を目指してない?
- 次の仕事を適当に選んでない?
◇解説&対策
「前職のここが嫌で、この部分が向いてなかったので辞めました…」みたいな話ならいくらでも出てくる!という人はいるかと思いますが、それだけだと「退職理由」で終わってしまって不十分です。そこからなぜエンジニアを目指すに至ったのか、エンジニアになって何がやりたいのか(前職を辞められれば何でもいいと思ってないか)がわかる「転職理由」を考えましょう。
説得力のある転職理由は、「プログラミングに興味を持って勉強して仕事にしたいと思っているけど現職だと職種が違ってそれが叶わないので、エンジニアに転職したい、エンジニアになったらこんな仕事がしたい」というように、「仕事に対する自分の何らかの希望→その希望は頑張っても前職では叶わない→希望が叶う仕事に転職したい」の流れで組み立てられています。
転職理由の考え方については、こちらの記事でも詳しく書いていますから参考にしてみてください。
paiza.hatenablog.com
「普段はどのような勉強をしていますか?」
「最近はどんな技術に興味がありますか?」
◇面接官の意図
- 入社したら一から十まで教えてもらえると思ってない?
- 本当にエンジニアになりたいと思って自分でも勉強してる?
- どんな技術が必要かも知らずに応募してきてないよね?
◇解説&対策
前述もしましたが、エンジニアは最初に一定量の勉強だけをすれば手に職つけられて一生安泰が叶う職業ではありません。むしろ技術や知識のアップデートが常に必要な職業です。
それをわかっていない人、大した勉強もせずに「人手不足と言われているし、エンジニアにさえなれば一生食べていける」みたいな考えでいる人はすぐに落とされてしまいます。
何の前提知識もない応募者に対して、「この人は未経験者だけど見込みがある!」と感じる面接官はいません。未経験者はポテンシャルを見込まれて採用されるわけですから、最低限応募先でどんなサービスが作られているか、どんな技術が使われているかを理解した上で「その領域の勉強をしています」と言えたほうがよいでしょう。
また、勉強している内容やレベル感をわかってもらうには、GitHubで作ったものを公開したり、ポートフォリオを作っておくと便利です。
まとめ
今回ご紹介した未経験者の面接でよくある質問や対策は、ほんの一部にすぎません。paizaの面接アドバイスでは、ほかにも面接でよくある質問やその受け答え、悪い例と落選理由、改善のためのアドバイスなどを公開しています。実際にpaizaから応募をされた多くの方から「参考になった」という声をいただいています。
未経験からエンジニアを目指したい人、面接が不安な人は、ぜひごらんください。
「EN:TRY」は、開発経験の浅い方や開発業務未経験の方へ向けて、エンジニアとしての転職をサポートするサービスです。
これまでのpaiza同様、EN:TRYもプログラミング力、コーディング力で転職をする「コーディング転職サイト」です。転職希望者には「プログラミングスキルチェック」を受けていただき、提出していただいたコードをもとにスキルランクを評価します。求人には必要なスキルランクが設定されており、評価がそれを満たしていれば書類選考なしで応募が可能です。
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