Photo by Andre Charland
長田です。今年入社したエンジニアです。
会社員をやっていると、「満員電車に乗って通勤したくない」「もうあの上司に会いたくない」「好きな仕事しかしたくない」って思いますよね。
それを実現できる手段の一つが「フリーランスになること」です。
実は、私も昨年まではフリーランスのエンジニアをやっていて、その生活を謳歌していました。今年に入ってからpaiza(ギノ) に入社し、会社員エンジニアの道に戻ることにしたんですが。
というわけで、今回は私がエンジニアとしてフリーランスも会社員も経験して知った8つの事実とフリーランスから会社員に戻った理由について書きます。
【目次】
■私の簡単な経歴
地方の情報系大学・大学院→東京の自社開発も受託開発も手掛けるベンチャー企業(1年半ぐらい)→神奈川でフリーランス(3年弱ぐらい)→paiza(ギノ) 現在は主にpaiza新卒の開発を担当しています。
■ざっくり学生時代から一社目の話
学生の頃から割ともりもりiOSアプリ開発などをしていたので、就職先も「そのへんの知識を生かして開発に携われる会社がいいなー」と思っていました。で、最終的には学部時代の友人(※先に就職している)が「うちの会社来なよー」と紹介してくれたベンチャー企業に入社しました。
そこで最初の半年ぐらいはiOS系のアプリやECサイトなどの開発業務をしていたのですが、しばらくしてエンジニアが不足していた受託のB2B案件に放り込まれることに…。いま思うととにかく人員が足りなくて、まだ新人の自分も、要件定義から設計、マネジメント、開発、テスト、リリース……と全工程をやらざるを得ない(そしてできるようにならざるを得ない)大炎上プロジェクトでした。
1年ぐらいかかって何とかリリースまでこぎつけたんですが、私の心身が疲れ果ててちょっと病んでしまい、リリース後しばらくして退職しました。
■気付いたらフリーランスエンジニアになってた
炎上中は忙しすぎてお金を使う暇がなく、そこそこ貯まっていたので、退職直後は「しばらくは労働せず、ゆっくり今後について考えるか~」みたいな気持ちでした。
ところが、私の退職を聞きつけた前職のお客さんや先に辞めて起業していた先輩とかが「会社辞めたんだって?ちょっと手伝ってほしいんだけど…」って感じで仕事の話をちょこちょこくれて……それを受け続けて、気付いたら「自分は今、フリーランスのエンジニアなのでは…?」という状態でした。(フリーランスに熱い志を持っている人が読んでたら何とも申し訳ない経緯ですが…)
退職してしばらくは「人生の休み時間や」と思っていたので営業などせず、友人や知り合いから来た案件を受けるだけでした。仕事内容は、WebページやWebシステムの企画・開発、コンサルなど……学生時代の勉強や一社目の業務で身につけたスキルでこなせる仕事がほとんどです。
ただ、そうやって知り合いから来る単発の仕事を受けているだけでは、会社員時代ほどの収入は得られませんし、貯金も目減りしていく一方です。一年半ぐらいで金銭的に危機感を感じたため、知り合いに紹介してもらった会社とSES契約を結びました。そこで平均週3~4日ぐらい出社しながら受託案件を開発する…という状態が、また一年半ぐらい続きました。
■フリーランスも会社員も経験して知った8つの事実
◆フリーランスのメリット
Photo by ChrisDag
◇1.働き方が自由
フリーランス時代は、平日に休んで映画や旅行に行ったりできたから、やっぱりそれはいいよなぁ~と思います。
◇2.仕事を選ぼうと思えば選べる
フリーランスは企業と直接契約をするため、業務内容や契約内容、報酬などの折り合いがつかなければ断ることもできます。もちろんこれは、選べるほど発注が来たり、自分で営業をかけまくったりできるなら…という前提にはなりますが。
◇3.頑張れば会社勤めよりずっと稼げる
会社員と違って売り上げ全てが手元に入ってきます。(住民税や所得税、保険料などもその売り上げから引かれるのでその辺は要注意)スキル次第ではやろうと思えば単価を上げる交渉もできますし、たくさん仕事を受ければそのぶん収入に反映されます。
◇4.全て自分の責任のもとに行動できる
これはプレッシャーに感じる人もいるかもしれませんが、逆に言えば他人の尻ぬぐいはしなくても済む!のが、私にとってはすごくメリットでした。
というのも、一社目では営業や上司が安請け合いしてきたを押し付けられたりする仕事も多く、それで案件が炎上したり、後始末をさせられたりするのが本当に本当にしんどかったので…自分の責任で自分の仕事だけできるほうが、納得感を持って取り組めてよかったです。
……と書くと、フリーランスっていいことばかりのようですが、もちろんフリーランスならではのデメリットもあります。
◆フリーランスのデメリット
◇5.「今の自分ができること」以外の世界に行きづらい
私が会社員に戻った大きな理由の一つがこれです。
フリーランスだと、基本的には「今までの実績」をもとにした依頼しか来ません。私だったら、大学~一社目で身につけたスキルでできる仕事、やったことある内容の仕事しか来ない。
それが嫌なわけではありませんが、少なくとも私はフリーランスになったことで、仕事を通して「挑戦」や「新しい経験」をするのが難しくなってしまいました。なんせ一人なので、同僚のエンジニアと「ここはこうしたほうがよくない?」とか「最近こういう勉強してるんだよね」みたいな話をする機会もなくなりましたし、自分の作ったもの、書いているコード、使っている技術がベストなのか、相談できる相手もいなくなりました。
もちろん自分で勉強したり、勉強会に参加したりもしますけど、肝心の仕事では実績が作りづらい……結果として「新しい知識や経験を得て、自分の世界を広げる」のは難しくなりがちなんだと思います。
◇6.自分から動く・計画的に動くができないとダメになる
自分で勉強したり、勉強会に参加したりしないと、何の情報も入ってこないです。フリーランスになったのであれば、受け身でいたら本当に何も起きませんし、世の中に置いていかれてしまいます。
収入面でも、ぼーっとしてたら仕事はなくなります。「自分で仕事を選べる」ということは、「さぼろうと思えばどれだけでもさぼれる」ということです。誰もケツ叩いてなんかくれないので…。
「貯金あるし今は休みたい」「事情があって仕事量をセーブしたい」(≒だから収入は減ってもいい)とかいう状態ならまだしも、それなりの収入を得ようと思ったら、さぼり癖がある人(夏休みの宿題を8月末までやらなかった人とか…)に、フリーランスは向いてないと思います。
たまに「なるべく働きたくない」からフリーランスになる人を見かけますが、前述の通り、税金で消える分も見込んで売り上げを上げていかないとまともな収入は見込めません。大した計画もなく「働きたくない」とか言ってる人たちは、ほとんどがジリ貧まっしぐらです。
◇7.自分の身は自分で守らないといけない
会社員じゃなくなると、労働基準法の後ろ盾がなくなります。契約書は自分で一文字残らず読み込まないといけないし、労働条件や単価の交渉は自分でやらないといけません。そのために法律などの勉強も必要になってきます。
「よくわかんないけど大丈夫っしょ」でハンコ押しちゃうと、後から不利な内容が発覚しても「この条件で契約したじゃん」で終了で、誰も助けてくれません。油断すると、搾取される側の人間になってしまいます。
◇8.お金に関する雑務が多く、お金のことが頭から離れなくなる
月給何万円~みたいな定めがあるわけではないですから、仕事が減ったり貯金が減ったりすると本当に焦ります。自分で請求書を書いて、支払いが遅れていないか確認しないといけないし、税金や保険料も自分で納めないといけないし、領収書とか全部とっといて確定申告も自分でしないといけないし。
■フリーランスから会社員に戻る
3年弱フリーランスでやっていく間に、一社目で疲れて失いかけた技術への探求心がよみがえってきました。
同時に「開発や勉強以外の雑務(仕事の調整、事務作業、確定申告などなど…)に時間をとられる」「実績がある分野の仕事しか受けられないから、挑戦できる範囲が狭い」のがすごく足枷に思えてきました。で、「総合的に見ると今の自分は会社員に戻ったほうがいい」と考えて転職活動を始め、最終的にpaiza(ギノ) へ入社しました。
フリーランスの裏返しになりますが、会社員のメリット・デメリットは以下のような感じです。
◆会社員のメリット
Photo by Joe Drew
◇1.開発に適した環境が手に入る
開発に適したPCやディスプレイに机と椅子、必要な開発環境やツールを用意してもらえるっていう物理的な部分もそうですが、私は今回の転職で「自分より優秀なエンジニアがたくさんいる環境」、もっと言うと「技術レベル的に自分が一番下になれる環境」に行くことを目指していました。その方が今の自分には適切な環境だと思ったので。
◇2.面倒なお金の手続きをしなくていい
◇3. 安定して収入がある
やっぱりお金と手続きに関することはフリーランスと逆で、会社員が得られる最高のメリットだと思います。振り込みが遅れることもないし!
◇4.仕事を通して世界を広げやすい
前述のとおり、私は今回の転職で「自分より優秀なエンジニアがたくさんいる環境」に来たので、仕事に取り組んでいるだけで息をするように世界が広がり、大変だけど楽しいです。
◆会社員のデメリット
◇5.縛りが多く融通がきかない部分も多い
◇6.仕事は選べない
当たり前なんですけど、会社と労働契約を結ぶ以上、どうしても勤務時間や休日、勤務場所、業務内容には縛りができます。
◇7.がんばりがすぐ収入に反映されるわけではない
これは安定をとるか、短期的な収入をとるかみたいな部分ですね。
◇8.人間関係は不可避
会社員だと上司や同僚に嫌な人がいても、どちらかが異動や転職をしない限り一緒に仕事をするしかありませんし、経営者にでもならない限りは会社のお客さんも選べません。
これは運と言えば運ですけど、やっぱりなるべく入社前に中のエンジニアの人たちと話す機会を持った上で転職先を選ぶのがいいんだろうなと思います。私も今回の転職活動で複数内定をいただきましたが、最後の最後は中のエンジニアと合いそうかどうかで決めました。
■まとめ
というわけで、私のこれまでのキャリアとフリーランスと会社員、それぞれのメリットとデメリットについて書いてみました。
フリーランス時代は、同じ立場のフリー仲間たちにもいろいろな人がいましたが、やっぱり「通勤したくない」「なるべく働きたくない」といった逃げだけでフリーランスになってしまうと、結局仕事としての目的がないので、会社勤めと同等以上の収入を得続けたり、新しいスキルを身につけたりするのは難しい気がします。
ただ、入社しといてこんなこと言うのもなんですが、私もこのさきずっと会社勤めを続けるかというと、それはわかりません。
今後は、向こう3年ぐらいは技術的に足りない分野を埋めつつ英語も強化して、将来的には海外でエンジニアとして働けるようになりたいと考えています。それこそ、海外でフリーランスとして働けるレベルになれたらいいなあ…。今は仕事を通してその土台を作る&勉強時間を得るために、会社員に戻った感じですね。
現時点では、総合的に会社勤めの方にメリットを感じて転職したばかりなので、ちょっと会社員寄りになってしまったかもしれません…。が、フリーランスになるにしろ、会社員になるにしろ、そこで「何がしたいか、どうなりたいか」という目的が大事なんだと思います。
paiza転職は、転職時のミスマッチをなくし、エンジニアがより技術面にフォーカスしたやりがいある仕事を探せる転職サービスです。プログラミングスキルチェック(コーディングのテスト)を受けて、スコアが一定基準を超えれば、書類選考なしで複数の会社へ応募ができます。
詳しくはこちら
まずはスキルチェックだけ、という使い方もできます。すぐには転職を考えていない方でも、自分のプログラミングスキルを客観的に知ることができますので、興味がある方はぜひ一度ご覧ください。
詳しくはこちら