paiza times

paizaがお届けする、テック・キャリア・マネジメント領域における「今必要な情報」を届けるWebメディア

logo

paizaがお届けする、テック・キャリア・マネジメント領域の「今必要な情報」を届けるWebメディア

SIでつらかったエンジニアが、思い切って辞めたら次の仕事で幸せになれた話

f:id:paiza:20180523140929j:plain Photo by Sergey Galyonkin
こんにちは、フジワラです。(@Fujiyama_Yuta)

私は現在フリーランスエンジニアをしているのですが、以前はSIerで働いていました。

前職では激務だったり心身ともに疲弊したりして退職したのですが、その後、紆余曲折あって現在はフリーでやっています。

SIerとフリーランス、両方での業務を経験して、それぞれのよいところ・しんどいところがわかったので、まとめてみました。

「転職に興味はあるけど、不安もあるなぁ」という人や、「いきなりフリーになるのは怖いなぁ」という若いエンジニアの方も多いかと思いますが、今後のキャリアを考えるときの参考になればと思います。

■SIerに入った経緯

未経験でもOKの会社に就職

大学が建築学科だったので、卒業後は建築系の会社に就職したのですが、すぐに体調を崩して退職することになってしまいました。

その後「次の仕事どうしようかなー」とぼんやり考えていたのですが、大学時代からパソコンを使うのが好きだったこともあり、そこからプログラミング(Ruby on Railsなど)の勉強を始めました。(このときは数十万円支払ってスクールに通いながら勉強していましたが、今はpaizaラーニングなど無料で学べるサービスが増えてきたので、いい時代になったなぁと思います…) paizaラーニング

当時はSIerとかWeb系とか自社開発とかいったことはよくわかっておらず、「とにかくプログラミングを勉強して、何か作りたい!」と考えているだけで、面接でもひたすらそのことを熱く語っていましたね…若い…。その結果、未経験者OKだったSIerから内定をもらい、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせました。

■ SIer時代

f:id:paiza:20200403095329j:plain 入社後は、主に金融系のシステムの開発・運用をしていました。金融系ということもあり、リリースにはかなり慎重で「瑕疵のないものを担保すること」が重要視されていたため、開発のフェーズは短く、かわりに結合テスト・総合テストのフェーズがとても長くて、物足りなさを感じていました。

SIer時代にしんどかったこと

①向上心のある人が少なかった

私の周り(同じ会社やプロジェクト内)では、土日に勉強会に参加したり、趣味でWebサービスを作ったりして、自己研さんをしているような人はとても少なかった気がします…。「仕事だからプログラムを書いている」みたいな人が多かった印象です。

私自身、学生時代から情報系の勉強をしていたわけではなく、スタートも遅かったため、当時から「同世代のエンジニアには差をつけられている」という意識がありました。「もっと勉強したい」「もっと向上したい」と思っていたので、「もっとプログラミングが好きな人が多い環境に行きたいなぁ」と感じるようになっていきました。

②給料が安かった

お察しください...。(たぶん皆さんが想像しているよりもかなり安いと思います)

③同じプロジェクトの先輩方が全員辞めてしまった

あるプロジェクトが大炎上したあと、3人いた会社の先輩方が全員辞めてしまいました。

当時はとにかく目の前の仕事に一生懸命で、視野が狭くなっていて気づかなかったのですが……いま考えると、かなりやばいプロジェクトにアサインされていたんだなと思います。

④金融機関 →1次請→2次請→3次請…という構造

前職では、3次請としての開発業務がほとんどでした。

これがどういうことかというと、2次請企業のエンジニアとしてプロジェクトにアサインされることが非常に多かったんですよね。ていうか自分の会社名を出して、そこのエンジニアとして仕事ができるようなことは一度もありませんでした…。この辺の構造にも疑問を感じていました。

⑤隣の席にいたフリーランスエンジニアの給料が自分の2倍だった…

隣の席にいたのがフリーランス契約で常駐している人だったので、こっそり収入を聞いたら、自分と同じような仕事をやっているのに自分の2倍の給料をもらっていたという……。

この事実を知ったとき、とてもとても悲しい気持ちになりました。(そして、フリーランスになったらそんなにもらえるのかぁ…という興味も持ち始めました)

SIer時代によかったこと

①未経験でもしっかりと教えてもらえる

会社によるとは思いますが、未経験でも研修や勉強から始められる(その期間もお給料がもらえる)のはとてもありがたいことです。

フリーランスだと、時間を割いて勉強しようと思ったらその期間は収入にならないから、なかなか難しいと思います。だから、業務知識をいろいろ教えてくれた前職の会社には、今になってとても感謝しています。

②社食がおいしい

私のいた会社には食堂が3つあったのですが、どの食堂も安く抜群に美味しいメニューがそろっていて最高でした(前職で一番よかったことは社食かもしれません…)。

■転職活動

f:id:paiza:20200223140710j:plain

転職の優先順位

そんなこんなで、前職に対するしんどさが重なっていき、4年弱ぐらいで転職を決意しました。

転職活動を始めるとき、最初はSIerではなくWeb系で自社サービスの会社に転職したいと考えていました。

また、SIer時代は主に金融系の仕事をしていたのですが、業界的に興味が持てず、業務知識の習得などにも時間がかかったりしていたため、「自分の興味のある分野」「自分の知っているサービス」に携われるという条件にプライオリティを置いて、仕事を探していました。

正社員 or フリーランス?

転職活動の結果、自社サービス開発企業からも内定をもらったりはしたのですが、条件面で折り合いがつかなかったので辞退しました(条件が前職より悪かった...)。ほかにも数社受けましたが、SIerからの自社サービス開発企業へ転職しようと思うと、結構評価が厳しいなという印象です。

ただ、前述のとおり私は次の仕事に対して「興味が持てる分野やサービスの開発に携われること」を重視していたため、正社員か否かといった雇用形態にはこだわらず、興味の持てるスポーツ関連のWebサービスを開発している企業が募集していたフリーランスの求人にも応募していました。

結果、そちらの案件で内定をもらい、業務内容も条件も満足できるものだったので、フリーランスとしてのキャリアをスタートさせることになったというわけです。

最初から「フリーランスになりたい!」と思っていたわけではなく、「プロジェクト単位で仕事を探していたら、フリーランスになっていた」…というのが、私がフリーランスになった経緯になります。

■ フリーランス時代

f:id:paiza:20210330111824j:plain

はじめてのフリーランス

フリーランスになって一番最初に感じたのは「周りのエンジニアのレベルが尋常じゃなく高い」ということです。

未経験からSIerに入って数年やってきただけの自分と比べると、想定したよりもずっとレベル格差があって、かなりへこみました。

このときに一緒に仕事をしていた「できるエンジニア」の方々は特に以下の4つが優れていました。フリーランスになってすぐにレベルの高い人たちと一緒に仕事ができた経験が、今でも仕事をするときの礎となっています。

コーディングの速さ・・・クオリティの高いコードを即日仕上げる

業務知識・仕様の把握・・・業界特有の知識・仕様の把握がすさまじい。どんな質問にも即答できる。

経験・知見の深さ・・・フロント・サーバー・基盤・RDB・NoSQL・CI...技術を深くまで知っているため、ベストプラクティスを提案できる。

マネジメント・・・自分が仕事をしやすい環境を整える

フリーランスの働き方

フリーランスになると働き方も自分で選べますが、私の場合はフリーランス向けのエージェントに登録して、そこから案件を紹介してもらって仕事をしています。

私は客先に常駐して開発するスタイルをとっているので、普通に週5日出勤し、1ヶ月140時間〜160時間の幅で働いています。

契約に関しては、エージェントと準委任契約を結んでおり、客先とは直接契約を結んでいるわけではありません。

「週5常駐の開発スタイルなんて、SIer時代と変わらないのでは?」と思われるかもしれません…が、実際やってみると「SIer時代と比べるとかなり変わったなー」と感じます。

フリーランスのよいところ

①給料が良くなった◎

これが一番大きく変わったことです。

多重下請け構造から脱出したことで、中抜きがなくなり、本来もらえるべき金額をしっかりいただけるようになりました。

私自身のスキルがとんでもなくレベルアップしたわけではなくても(もちろん最初の頃よりはだいぶできるようになっているとは思いますが…)、働く環境を変えるだけで、自分に入ってくる金額ってこんなに変わってくるんだなぁと実感しています。

②いろいろなプロジェクトを経験できる

もちろん、ひとつのところに長く在籍する人もいますが、基本的にはプロジェクト単位での契約なので、自分次第で本当にいろいろな現場を経験できます。

これがよいか悪いかは人それぞれだと思います…が、私は今のところ「20代のうちにいろいろなプロジェクトを経験して、多くの技術を身に付けたい」と思っているので、「いろいろ経験できて、案件も選べる」フリーランスとしての働き方は、自分にとても合っていると感じます。

③レベルの高い・意識の高い人たちと仕事ができる

これはSIer時代には経験できないことでした。もちろん会社やプロジェクトにもよるとは思いますが、自分は最初からレベルの高い現場に入れたおかげで、周りの人たちの意識も高く、それに感化されて自分の中のスタンダードが少しづつ変わっていきました。

具体的に言うと、業務以外でも積極的に勉強会に参加してLTをしたり、個人でサービスを開発・運用したり、Qiitaなどの技術共有サイトに投稿するようになりました。

フリーランスのしんどいところ

①お金に関わることを全て自分でやる

フリーランスは保険や年金や税金、確定申告、お金に関わるあれこれの事務手続きを全て自分でしなければなりません。

会社員時代であれば、すべてバックオフィスの方がやってくれていたからとても楽でしたが、フリーランスはこのあたりとても大変です。

②要求されているレベルに達していないと契約終了

フリーランスは即戦力を求められていますから、ある程度のレベルに達していないと、次回以降契約してもらえません。

会社員はとりあえず会社を辞めていなければなんとかお給料は発生しますが、フリーランスだと常に成果を出していないと契約切られて次の月から無収入…なんてことにもなりかねないので、それは厳しい部分だなと思います。

■ まとめ

受託開発がしんどくなった人は「次は自社サービスに行きたい!」と考えがちかもしれませんが、同じ受託でも、フリーランスとして請けてやってみると、かなり世界が変わるので、選択肢としてはアリなんじゃないかと思います。

私は今のところフリーランスであることにメリットを感じているので、フリーランスになってよかったなと思っていますし、まだしばらくはフリーランスでいるつもりです。

ただ、どんな働き方を選択するにしろ、そこで「何がしたいか、どうなりたいか」という目的が大事なんだと思います。


paiza転職は、転職時のミスマッチをなくし、エンジニアがより技術面にフォーカスしたやりがいある仕事を探せる転職サービスです。プログラミングスキルチェック(コーディングのテスト)を受けて、スコアが一定基準を超えれば、書類選考なしで複数の会社へ応募ができます。

詳しくはこちら paiza転職

まずはスキルチェックだけ、という使い方もできます。すぐには転職を考えていない方でも、自分のプログラミングスキルを客観的に知ることができますので、興味がある方はぜひ一度ご覧ください。

詳しくはこちら paizaのスキルチェック

paizaのおすすめコンテンツ

PPG proken プログラミングゲーム「初恋 プログラミング研究会〜海に行こうよ〜」 PPG Bingo プログラミングゲーム「コードレビューBINGO!!」
paiza転職 paiza新卒 EN:TRY paizaラーニング 記事内に記載している情報は、記事公開時点でのものとなります。 Copyright Paiza, Inc, All rights reserved.