こんにちは。倉内です。
採用選考では、新卒・中途に関わらず必ず面接を実施すると思いますが、面接で応募者を正しく評価できている自信はありますか?
中でもITエンジニアの採用は、プログラミングスキルについても見極める必要があり人事の方にとっては結構難しい課題ですよね。
たとえば、経験者であればこれまでの実績から自社で活躍してくれそうか、スキルが求める水準を満たしているかなどを見る必要がありますし、新卒や第二新卒であれば素養やポテンシャルがあるかを見極めなければいけません。
これらはITエンジニア同士でしか判断できないことも多く、書類選考や人事面接だけで評価を下すのは難易度が高いと言えます。
もしエンジニア採用が思うように進まない、あるいは採用した人材がなかなか力を発揮しきれない、ミスマッチですぐ辞めてしまう…というのであれば面接のやり方をはじめ採用方法を見直したほうがよいでしょう。
そこで今回はITエンジニアの採用に課題を感じている企業が選考でどんな点を見直すべきかをお話しします。
そもそもITエンジニアの採用において面接は必要?
冒頭で書類選考や人事面接ではITエンジニアのスキルを測るのは難しいと書きました。そもそも採用選考において、面接って必要なんでしょうか。
少し前にこんな記事が話題になりました。
「日本の採用面接が人をちゃんと見抜けない」とはなかなか刺さる言葉ですね。記事によると、「日本の面接のやり方は科学的な妥当性が低い」と書かれています。
たしかに、担当する面接官によって質問内容が異なったり、評価基準がバラついていたりすると正しい評価はできません。
中にはそのことを理解している人もいると思うのですが、なかなか従来のやり方を変えられず、「これまでずっとこの方法で面接を行ってきたから」といった理由で同じ採用方法を続けている企業もあるでしょう。
実際に面接の評価基準は面接官に委ねている企業も多く、前職(SIerのSE)でリクルーターをやっていたときに担当学生が選考に落ちた理由を人事に尋ねたところ「厳しい面接官にあたっちゃったね」と言われて腑に落ちなかったことがありました。
では、Googleでも採用され、海外のスタンダードになりつつある構造化面接*1を取り入れるべきでしょうか。もしくは面接自体をなくしてしまったほうがいいでしょうか。
少なくとも現在の日本においてはどちらの方法もベストとは言えないかもしれません。
というのも定年まで1社で勤め上げることがなくなった今でも、アメリカなどと違い入社後に企業側から労働者を簡単に解雇することはできないため、面接の場で「この人はうちの会社(チーム)と合いそうな雰囲気だな」「ちょっと方向性が違っていて会社に馴染めないのではないか」といったことを見極める必要はあるからです。
一方で、面接の場でプログラミング問題に解答してもらう技術面接を実施したり、GitHubなど成果物(コード)を実際に見てそれについて面接で深堀りしたりして評価することも有効です。
社内のエンジニアの協力が不可欠にはなってきますが、まずは面接のやり方を変えてみるのがよいでしょう。以下の記事では、エンジニア面接での心得を解説しています。
応募者のスキルを測るためのさまざまな方法
さきほど挙げたエンジニアが面接に参加する(技術面接を実施する)方法とは別の方法もご紹介します。これらは面接との合わせ技で実施することをオススメします。
選考段階で配属先のメンバーと話せる「ランチ会」
弊社でも実際に取り入れている方法なのですが、応募者がエンジニアチームとランチをして面接の場ではなかなか話しづらいことをざっくばらんに話す機会を設けています。
面接にはエンジニアは参加しても1、2名だと思うのでチームの雰囲気は分かりづらいですし、会議室に机を挟んで面と向かって座って…という状況はお互いなんとなく構えてしまって本音が見えにくいことがあります。
企業によっては「カジュアル面談」をランチやお茶をしながら実施している場合もあります。(「カジュアル面談ってなに?」という方はこちらをごらんください。)
また、ランチ会とは少し異なりますが、採用選考の前段階で会社説明や開発業務について説明し、まず自分の会社を知ってもらうための座談会を開く試みもおこなわれるようになっています。
入社前に業務経験をしてもらう「インターン」
ITエンジニアの採用が難しいのは、経験してきたことを面接で話してもらうだけでは応募者のスキルを測るのが難しいところにあります。
もちろん前述の技術面接や成果物(コード)を見ることである程度は測れると思いますが、開発業務に入ってもらったときにどうかというのを見るのは難しいでしょう。
そこで、特に新卒採用ではミスマッチを防ぐためインターンをあわせて実施する企業が増えてきています。中途採用ではまだ導入事例は少ないかもしれませんが「社会人インターン」といった名称で受け入れている企業もあります。
「インターンをやるほどでは……」と思うかもしれませんが、面接だけで判断できない部分を見るためにもやって損はありません。
インターンといってもやり方はいろいろで、会社説明や社員との座談会、疑似プロジェクトをグループワークで体験、実際職場に入って業務の一部を担当するなどがあります。
受け入れ部署の負担も考慮してにはなりますが、やはり業務の一部を担当するというインターンがもっとも有意義だと思います。インターンについては以下の記事で詳しく説明しています。
インターンの受け入れが難しいという場合は、副業という形で業務を経験してもらう方法もあります。まだそんなに事例が多いわけではありませんが、最近は副業を解禁している企業も増えてきたため検討してみる価値はあるかもしれません。
応募段階でスキルを判断したいなら「スキルチェック」
ここまで、「ランチ会」「インターン」「副業」といった方法をご紹介しました。
しかし、なかなか時間や人手が割けないという場合、もう少し手前で応募者のスキルが分かっていれば自社によりマッチしそうな人材に絞って選考ができるのに…という思いもあるかもしれません。
paizaが提供している、就活・転職サービスでは応募者のプログラミングスキルを「スキルチェック」というサービスでS・A・B・C・D・Eの6段階で評価しています。企業は求人ごとに応募者に求めるランクを設定することができ、例えば「S・Aランク取得者のみ求人に応募できるようにする」といったことが可能です。
ランクでスキルが可視化されているのでミスマッチが起きにくいのはもちろん、自分から問題を解きに来ている人たちなので、いずれもプログラミングへの興味や意欲が高く、IT技術が好きという応募者が多いという特徴もあります。
paiza新卒について、詳しくはこちら
paiza転職について、詳しくはこちら
まとめ
ITエンジニアの採用では、面接だけでスキルまで測るのは難しいため、インターンなど他の手段との組み合わせでやるべきという話をしてきました。
特にスキルの高いITエンジニアは引く手あまたでなかなか市場に出てこない存在なので、そういった人材(もしくはそれに近い人材)を逃さないためにも採用選考についてはしっかり戦略を立てて、全社的に取り組む必要があるでしょう。
paizaでも、そのお手伝いとして、採用基準の定め方や面接の進め方などについてのサポートを実施しております。
「どんなふうに面接するとよいのかわからない」「応募があって面接をしても辞退されてしまう」「積極的に採用活動しているつもりだけどなかなかエンジニアを採用できない」といったご相談にものらせていただいておりますので、ぜひご活用ください。
今後エンジニアの採用にpaizaを導入してみようかなと検討されている担当者の方は、こちらからお問い合わせください。(※すでにpaizaとご契約いただいております企業様は、直接担当者へご連絡ください)
「paizaラーニング」では、未経験者でもブラウザさえあれば、今すぐプログラミングの基礎が動画で学べるレッスンを多数公開しております。
詳しくはこちら
そしてpaizaでは、Webサービス開発企業などで求められるコーディング力や、テストケースを想定する力などが問われるプログラミングスキルチェック問題も提供しています。
スキルチェックに挑戦した人は、その結果によってS・A・B・C・D・Eの6段階のランクを取得できます。必要なスキルランクを取得すれば、書類選考なしで企業の求人に応募することも可能です。「自分のプログラミングスキルを客観的に知りたい」「スキルを使って転職したい」という方は、ぜひチャレンジしてみてください。
詳しくはこちら
*1:あらかじめ評価基準と質問項目を決めておき、マニュアル通りに実施していく面接方法。面接官によって評価にバラつきが出ないことが特徴