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日本のITエンジニアの給与と評価が不当に低い要因はどこにあるのだろう


こんにちは。谷口です。

先日、国税庁が2020年の民間給与実態統計調査の結果を発表して以来、日本における平均年収の低さが話題になっています。

特に会社員の平均年収は2年連続で下落、依然90年代よりも大幅に低い平均額で推移しています。

参考:令和2年分民間給与実態統計調査結果について

ITエンジニアは国内では比較的平均給与が高い職業ではありますが、一方でpaizaを運営していると、「給与や評価に対する不満」を理由に転職活動をしている方も多く見受けられます。

そこで今回は、日本のエンジニアの給与や生産性の低さの要因について考えてみたいと思います。

エンジニアの生産性や評価が不当に低い企業で何が起きているか

エンジニアのスキルレベルとマッチしない人月商売

システム開発において人月換算で費用を見積もる慣習はいまだに根強く残っています。

しかし、システムやサービスの提供価値ではなく、稼働そのものに対して値段をつけてしまえば、「何人月で作ったか」だけに対価が支払われることになってしまいます。

開発の現場では、例えばスキルの低いエンジニアが5人で一週間かけても解決できない課題を、優秀なエンジニアが1人いれば3時間で解決してしまう、といったケースがしばしば起こり得ます。

この場合、企業は優秀な1人のエンジニアを高く評価すべきですが、ビジネスモデルが人月商売を採用していると、極端な話なるべく大人数でなるべく時間をかけて作ったほうが利益が得られることになってしまいます。このねじれが、エンジニアのスキルを正しく評価できない要因となっています。

成果や効率化をプロセスやマインドほど評価できていない


また、IT企業に限った話ではありませんが、日本の管理者側がまだまだ成果よりも努力したプロセスを重点的に評価していることにも起因していると言えるでしょう。

かつて高度成長期の頃は、戦後の復興のために全員が働けば働くだけ世の中が上向きになっていく社会情勢でした。残業が努力の証として称賛されてしまう企業では、いまだにこのときの精神性が根付いたままになっています。

特にIT企業の場合、面倒な作業をシステム化して時間短縮するのがエンジニアの仕事のはずです。短時間で成果を上げるよりも長時間会社にいる人が偉い、成果を上げていても周囲より早く退社すると評価が下がりかねない…という企業で、いつもなんとなく仕事しているふりをしながら遅くまで残っているような人は、いまだに少なくないでしょう。

最近はリモートワークも主流となっていますが、成果物を中心に評価する評価体制の整備が追いついていない企業も多いように見受けられます。

採用したら最後簡単には解雇できない雇用制度


日本の企業は一度社員を雇用すると、入社後にスキル不足やアンマッチが発覚しても、簡単に解雇はできません。

そのため、スキルが足りない社員もそのまま同じポジションやチームに配置し続けるしかない現象が起きています。

こうした状況下では、社員本人もよほどのことがない限り同じところで給料をもらい続けられるため「現状維持できればいい」という考えに陥ってしまいかねません。これが蔓延すると、現状維持ができる程度の仕事で労力を抑え、効率化や改善策を考えない組織ができあがってしまいます。

簡単に解雇されないというのは、働く側からすると一見よい制度に見えるかもしれませんが、問題があっても企業から離れることがなく、企業と社員にミスマッチが生まれても改善されにくい仕組みになっているのです。

解雇されないので流動しない人材

スキル不足が明らかになると解雇される可能性が高い諸外国の場合、自分のキャリアは自分で考える必要がありますし、希望するキャリアを実現するために転職を繰り返すケースも珍しくありません。

しかし日本の場合、前述の通り企業からの解雇はほぼ発生しないので「せっかく入社したんだからわざわざ辞めなくてもいい」と、転職をネガティブな行為として捉えてしまう人もいます。

「最低でも3年は続けた方がいい」という謎の3年神話や、「入社したら勤め上げるのが美徳」という考えも、やはり高度成長期からの名残として残っています。

また、日本では大した成果を上げていなくても年功序列で勝手に立場や給与は上がっていく企業も多く、わざわざ自分からそれを放棄してまで転職したくないと思わない人も多いでしょう。

しかしそのまま人材流動がストップしてしまうと、生産性が低く適性のない社員でも、出世したり同じポジションに居続けたりすることが可能となり、適性のない上司が上にいるせいで、落ち度のない部下が苦労する……といった悲劇がそこかしこで発生しています。

まとめ

かつてはシステム開発というと、コストセンター(売上計上がなく費用だけが計上される部門)である情報システム部が外部ベンダーへ発注することがメインでした。コストセンターはあくまで間接部門で利益も生み出さないため、企業にとってもコストカットがシステム化の主な目的でした。

しかし現在、多くの企業でIT技術はコストカットにとどまらず、事業のメインとなるサービスやプロダクトの開発・運用といった利益を生み出す根幹を担っています。特に事業やサービスごとに開発チームを設けている企業では、意思決定やリソース配置もチーム単位で迅速に行えるような体制が整っているところも多くあります。

優秀なエンジニアが、不当に低く評価されてしまう企業を辞めて、そういった自分のスキルに価値を見出してくれる企業へ転職していくのは自然なことと言えるでしょう。


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