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音楽生成AI「Suno」で、いよいよ一部の音楽家は廃業か?


<この記事の著者>
大谷大 - Tech Team Journal

ウェブデザイナー/映像クリエイター/作曲家/ギタリスト/ブロガー/YouTuber

BGMや効果音を無料でダウンロードできるサービス「タダオト」を運営し、自らが作曲した楽曲を掲載。2023年に生成AIにハマり、さまざまな仕事でフル活用しながらそのノウハウをYouTubeやブログで情報発信している。


生成AIはさまざまな分野で進化していますが、いま熱いのは音楽生成AIの「Suno」です。

https://www.suno.ai/
app.suno.ai

Sunoが登場するまでは「さすがに人が作ったクオリティには全然及ばない」くらいのクオリティでした。Sunoを使えば、楽曲制作を20年以上やってきた僕が聴いても、人が作ったかAIが作ったか判断できないレベルの楽曲も生み出すことができます。

さすがにこのレベルとなると、一部の音楽の仕事が奪われそうな予感もあったので、音楽生成AIの進化による音楽ビジネスの今後について考えてみます。


生成AIはさまざまな仕事で活用されている

僕は音楽以外にも映像を作ったり文章を書いたりWebサイトを作ったりと、昨今話題となっている生成AIと関わりの強い業界に身を置いています。

例えばWebサイト制作においては、ChatGPTなどを使ってコードが書けるようになったことで時短になっていますし、画像生成AIのおかげでフリー素材を探し回る時間も大幅にカットできています。

ライター業においてもChatGPTが強力にサポートしてくれていて、アイデア出しをしたり、大まかなアウトラインを構築してもらったり、すでに公開した記事のタイトルを元に関連記事を考えてもらうなどしてもらってます。

映像制作では生成AIが生み出した動画をそのまま使うということができるレベルではないものの、OpenAIのSoraが公開される頃には実践導入できそうだと思ってます。

音楽生成AIは何の仕事を奪うのか

このように仕事に生成AIを導入していても僕の仕事は奪われてないと、少なくとも現時点では思ってるんですが、音楽生成AIのSunoでついに仕事も奪われそうだと感じてしまいました。

主に何の仕事が奪われるかというと、「YouTubeなどで使われるBGM制作」や「ストックビジネス」です。

アーティストの楽曲制作や映画・舞台の劇伴など、その人が作ることに価値がある音楽ビジネスであれば生成AIがその仕事を奪うことは難しいです。

ただ、「特に要望はないけどそれっぽいBGM」を必要としている人が多くいて、意外とそれを作る人が仕事として成立していたりするんです。

オーディオストックという音素材サイトでは、作曲家や編曲家が作った楽曲を販売することができます。「特に要望はないけどそれっぽいBGM」を必要としている人はオーディオストックでダウンロードし、制作者に収益が入るというビジネスモデルです。

もちろんこのような仕事の多くは副業的に行われている仕事なので、主となる作曲家や編曲家の仕事がいきなり全部なくなることはないものの、あてにしていた収益がガクンと下がることはあり得ます。

ちなみに、僕は音楽制作自体が趣味でもあり、収益の軸にしていないこともあって、最悪この仕事がAIに奪われてもしょうがないかと諦め半分で思ってたりします。

音楽生成AIが音楽制作を助けてくれる側面も

僕が音楽以外の仕事で生成AIを活用しているように、音楽制作の作業も音楽生成AIを活用できています。

例えば、Sunoで作った楽曲をアイデアのトリガーにするとか、馴染みのないジャンルの教材として使うとか、フレーズの一部を流用したりしてます。

Sunoは有料プランユーザーであれば商用利用可能なので、フリー素材のように使うこともできるんです。

パートを分離できるMoisesというサービスを使うことで、リズムトラックだけ生かしてそこにギターを録音して楽曲として成立させるなんてことも可能です。

生成AIによって仕事が奪われる可能性ももちろんあるものの、生成AIが僕の音楽制作をサポートしてくれることもすごくありがたく思っています。

生成AIにはできないことを仕事にしていく

生成AIが音楽を作ることができたとしても、その楽曲がどんなところで使われるのか選別する仕事をAIに任せるのは難しく、そこは人間がやるべき仕事です。

また、楽曲が使われるシーンにおいてどのような音量バランスが良いかなど、状況に応じて整音ができる能力のある人であれば重宝されるはずです。

ChatGPTやGitHub Copilotなどのコードが書ける生成AIによってコーダーの仕事が一部なくなりそうっていう話もありますが、それと同じことですよね。

生成AIでは担えない作業、例えばWebサイトを作る上で俯瞰して見れるディレクターは絶対に必要とされます。

音楽制作においても、生成AIを賢く活用し、生成AIに奪われそうな仕事は完全に任せてしまって、人間だからこそできるポジション取りをしていきましょう。

参考:Sunoで作った曲

Chiptune
https://www.youtube.com/watch?v=FQYPcCPbF_Qwww.youtube.com


Lo-Fi Hip Hop
https://www.youtube.com/watch?v=s9OSQJx6rs4
www.youtube.com




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