Photo by David Brossard
こんにちは。谷口です。
最近、4月入社を目指して転職活動を始める方が増えてきました。
……が、皆さん企業研究や情報収集はどんなふうにやっていますか?企業のWebサイトや求人情報をちょっと見るだけで終了していませんか?
数多くの企業を受けていると「そんな情報収集なんかしてる暇ない!」と言う方もいますが、企業情報をよく調べないまま「最初に内定が出たから」と言って入社し、いざ仕事が始まってから業務や環境等に不満を漏らす方々が非常に多くいます。
苦労して転職したのに「こんなはずじゃなかった」「前職の方がよかった」となってしまう悲しい結末はなんとしても避けたいところです。
そこで今回は「企業情報なんてその会社のサイトと求人票以外に見るところあるの?」という方のために、企業情報のリサーチの仕方をいろいろお教えします。
■こんなにある!企業情報をリサーチする方法
情報収集をする前に前提として知っておきたいのが、上場企業と非上場企業では開示している情報に違いがあるということです。
上場企業は会社情報の適時開示制度があるため、この後に詳しく書きますが財務状況や事業戦略などのIR情報が開示されています。適時開示制度というのは、投資家へ適切な情報を提供するための制度ですが、開示された情報は誰でも閲覧することができるので、投資以外でも転職・就活・企業間取引等の場面でも役立てることができます。
一方、上場していないスタートアップの場合はそういった情報が集めにくいのですが、その分応募前から直接話ができる機会を積極的に設けている企業も多くありますので、そういった機会を利用して生の情報を集めるのもよいかと思います。
◆IR情報を見る
IR情報とは、主に上場企業が株主や投資家に対して、財務状況や事業戦略など、投資に必要と思われる情報を公開したもので、有価証券報告書やアニュアルレポート等があります。(有価証券報告書 - Wikipedia)(アニュアルレポートとは|金融経済用語集 - iFinance)
これには、企業の経営状況・市場の環境や、競合の環境をどう捉えているか、業績のいい事業・悪い事業とそれに対しどのような対策を考えているか、今後の事業展開等が記載されています。有価証券報告書では、社員の平均年収や平均年齢等まで知ることができます。
◆会社四季報・就職四季報
会社四季報には投資家に向けて上場企業の財務データ、業績予想、事業の状況等が記載されています。就職四季報は新卒向けに試験情報、採用人数、採用実績校、初任給、昇給率、離職率、育児休暇、残業時間等がまとめられています。
転職希望者のための書籍ではありませんが、業績や社員の平均年収や平均年齢、定着率や自己資本比率等を調べたり複数企業で素早く比較することができます。最新版は、会社四季報の方は12月、就職四季報の方は先週に出たばかりです。
◆企業のプレスリリース
プレスリリースとは、一般的に企業が報道機関・マスコミへ向けて新事業や新サービスの告知をするために発信する文書です。新しく展開が始まったサービスの概要や現在の利用者数等がコンパクトにまとまっています。
多くの企業は「PRTIMES」というプレスリリース配信サービスを使用して発信していますので、検索して興味のある企業や同業他社の最新プレスリリースを探してみるとよいでしょう。
◆企業やエンジニアのブログ・Twitter・インタビュー記事・勉強会の発表資料等
最近はブログやツイッターを運営している企業も多くあります。また、エンジニアがWeb上の記事でインタビューに答えている場合や勉強会のスライド資料を公開している場合もありますので、見つかったら読んでおくとよいでしょう。
◆企業の中の人や受けた人が近くにいるかもしれないので探してみる
同じような業界での転職を考えている場合、意外と知り合いの中にその企業で勤務している人や、選考を受けたことがある人、また似たサービスを運営する競合企業に勤めている人がいる場合もありますので、ちょっと探してみるとよいでしょう。
「そんな都合のいい知り合いはいない!」という人は、「CoffeeMeeting」等のサービスを利用してみるのも一つの手です。コーヒーミーティングは、「コーヒー1杯を飲む時間を一緒に過ごしたい人と出会うためのサービス」とされ、話したいネタをタグで分類した登録ユーザーから、自分がミーティングしたい人を選び、折り合いがつけばカフェなどで会って話をすることができるというマッチングサービスです。
「誰か経験者から話が聞きたい……」という場合は、こういったサービスで、転職経験のあるエンジニアや興味がある分野で開発しているエンジニアを探してみるのもよいかと思います。
◆直接質問できる機会を探す
最近、応募前の段階でも興味を持ってくれた人と話ができる機会を設けている企業がたくさんあります。特にスタートアップに多く、誰でも参加できる勉強会やミートアップを開催したり、気軽に職場見学や業務の説明をした上で質問を受け付ける機会を設けている企業もあります。
また、Wantedlyという転職サービスでは、掲載企業に興味がわいたら「話を聞きに行きたい」ボタンを押し、企業側からも興味を持ってもらえたら実際に話を聞きに行くことができます。
応募意志が固まっていなくても、まずはお互い興味がある企業や人と会って話をしてみようというスタンスのサービスなので、「ちょっと話を聞いてみたいな」という場合にぴったりだと思います。
あと、私が実際に転職活動をしていたときの話になりますが、私はよく面接の日時調整等の段階で「もし可能であれば、面接の前後の時間で現場で働いてる方ともお話できればと思うのですがいかがでしょうか?」ということを聞いて、現場の人と話をしたり質問したりする時間を作ってもらったりしていました。これは意外とOKしてもらえますし、「忙しいので無理です」と断られたとしても特に失礼には当たりません。
特に複数内定をもらって迷いがあるときの検討に有効な方法だったなと思っています。
◆TechcrunchやTHE BRIDGE等のスタートアップ中心のIT系情報サイト
TechcrunchやTHE BRIDGEは、どちらもスタートアップ企業とIT系ニュースのサイトです。
企業や業界のニュースだけでなく、セキュリティやデバイス等IT系の新情報を得ることもできますので、普段から情報収集のためにチェックしておくとよいでしょう。
◆転職会議・キャリコネ・VORKERS・匿名掲示板
転職会議・キャリコネ・VORKERSは、転職者向け口コミサイトです。かつては口コミ情報は匿名掲示板におけるものがメインでしたが、最近はこうした有料の口コミサービスや登録が必要なサービスがありますので、情報の信ぴょう性も高くなっています。
匿名掲示板は……信頼できない書き込みもたくさんありますし、ネガティブな内容も多いです。しかし、転職先の情報収集というのはどれだけしてもし過ぎということはありません。
また、転職活動がうまくいきだすと「この企業は自分にぴったり!選考もスムーズに進んでるし!!ここに入ったら絶対ハッピー!!」みたいな感じになって浮かれてしまいがちですが、ネガティブな情報はそういった時に目を覚まさせて冷静にしてくれます……。
◆paizaの求人情報を読み込む
手前味噌ですが、paizaで掲載している求人票には開発環境、言語、フレームワーク、DB、支給マシン、開発内容といった業務に関する詳しい内容から上司の経歴、求人募集の背景等、ITエンジニアが転職を考える際に知りたい情報が一般的な求人票よりもかなり詳しく記載されていますので、「この企業は最新の開発環境を積極的に取り入れてるな」「開発のための設備や制度が整っていてエンジニアが大事にされてるっぽいな」といったことまで知ることができます。
応募企業を選ぶ際や比較をしたい際はよく読み込んでみることをおすすめします。
■情報を集めた後に
企業の情報を集めておくと、ただその企業に対する理解が深まるだけでなく、下記のような場面でも役立てることができます。
◆複数企業を比較する
IR情報等は、どの企業も同じような項目の情報を公開していますので、比較もしやすいと思います。「同様のサービスを開発する中で、この企業はどんな立ち位置にいるんだろう?」「今後の事業展開はどう考えているんだろう?」というように検討して、より自分の希望に合った企業がどこなのか探してみましょう。
◆逆質問を考える
実際に選考が始まると、面接の最後には必ずと言っていいほど逆質問タイムがあります。ここで「質問はありません」と言ってしまうと「えっ、うちの会社に興味ないの?」となってしまいますし、検索したらすぐにわかることを聞いても「よく調べずに応募してるんだな」となってしまいます。
企業研究をする中で感じた疑問をメモしておき、それを聞けるようにしておきましょう。例えば「御社の〇〇サービスは業績が好調な一方で、××サービスの方は最近あまりふるわない印象を受けております。今後はどのような事業展開を考えていらっしゃるのでしょうか?」といった感じできちんと調査してきたことが伝わる、有意義な質問ができるとよいでしょう。
■まとめ
企業の情報収集をろくにしないまま選考を受けたり入社を決めたりしてしまうことは、標高も調べず装備も整えないまま登山をしてしまうようなものです。
逆に情報収集がしっかりできていれば、企業が応募者に求めることや自分の方向性とのマッチ具合もわかり、有意義に転職活動を行うことができます。
上記のように今は情報収集に役立つ様々なサービスもありますので、うまく利用すると効率よく企業研究ができるでしょう。
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