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こんにちは。谷口です。
ITエンジニアの転職市場は、依然売り手市場が続いています。
パーソルキャリアの転職求人倍率レポートによると、2019年1月時点で全体2.13倍に対し、IT/通信は5.63倍と、依然高い水準を維持しています。(※転職求人倍率=求人数(採用予定人員)÷転職希望者数)
www.persol-career.co.jp
実際に転職活動を始めて「思ったよりスムーズに選考が進んだ」「ためしに一社受けてみたら内定が出た」といった方も多いのではないでしょうか。
近年、エンジニアが転職しやすい市況が続いているのは間違いありません。ただ、このような売り手市場だからこそ、転職希望者がつまずきやすいポイントについてはご存知ですか?
現在転職に興味を持っている人は、ぜひこれを知った上で、後悔のない転職について考えていただければと思います。
売り手市場だからこそ…転職したいエンジニアがつまずきやすいこと
それは、「いつまでたっても納得のいく決断ができないこと」です。
詳しく説明します。
前述の通り、転職したいエンジニアにとって、近年は超売り手市場が続いています。たくさんの企業が、積極的にエンジニアを採用したいと考えています。
そのため、まともな開発スキルのある人であれば、内定を獲得するのはそれほど難しいことではありません。軽い気持ちで手始めに一社応募してみたら、その一社目で内定が出た…というケースも珍しくないです。
ただ、軽い気持ちで応募をして内定をもらった応募者は、そこで初めて
- では、その企業の内定を承諾するのか?それとも辞退するのか?(※あとでまた説明しますが、内定には承諾期限があります)
- 辞退するのであれば、次はどんな企業に応募するのか?それともやっぱり転職活動はやめておくのか?
といった選択に向き合うはめになります。
ここで企業選びの軸や、今回の転職でかなえたいこと(≒転職理由)などが明確な人は、それを基準に判断すればよいだけです。もし同時に複数企業から内定が出た場合でも、それらの企業を比較できます。
ただ、そういったことを考えていなかった人の場合、「簡単に内定が出たし、もっとよい会社に行けるのではないか?」といった欲が出てきたり、「ここで本当に決めてしまってよいのか?」といった漠然とした不安に駆られたりします。
また、そのままなかなか決めきれずに、ずるずると転職活動を続け、あとになって「やっぱり最初のほうに辞退しちゃったあの会社がよかったかも…」と思うようなケースもあります。
実際、売り手市場化が進むにつれて、paizaでもこういった方からのご相談が増えています。
売り手市場で希望通りの転職をかなえるには?
では、この売り手市場の波に乗りつつ、納得のいく転職先を探すにはどうしたらよいのでしょうか。
内定後の承諾期限は無限ではない
「そんなの知ってるわ」という方が大半かと思いますが、応募をして選考を進んで内定が出ると、承諾期限が提示されて、その期限内に内定を承諾するか、辞退するかを決めなければなりません。
企業側も、「このチームのこのポジションでこの仕事をしてくれる人がほしい」とか「来期から始まる○○プロジェクトに入ってくれる人がほしい」とか、目的があって求人募集をしています。だから、決めきれない人は見送るしかないし、自分と同等かそれ以上のレベルの応募者が来て「すぐ入れます」と言われたら、そちらを採用します。
内定後に「決めきれないから、何ヶ月かゆっくり考えさせてください」なんてわけにはいかないんですね。内定が出たら、自分で何らかの判断を下す必要がある、というのを頭に入れておきましょう。
企業選びの軸や転職でかなえたいことを明確にする
転職するなら、売り手市場とか関係なくこれが重要になってきます。これが明確じゃないと、応募先を選ぶ段階でも、内定後に承諾するか否かを考えるときにも、基準がぶれて悩んでしまいますし、下手すると自分にとって間違った選択をしてしまうかもしれません。
間違った選択とは、よい企業なのに辞退してしまう、あるいは逆に自分には合わない企業なのに承諾してしまう…といったことですね。せっかく売り手市場で選べる立場にあるのですから、こうなってしまうのは大変もったいないです。
企業選びについては、こちらの記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
paiza.hatenablog.com
複数の企業に並行して応募してみる
複数応募するメリットは、「複数企業を同時に比較できる」ことです。
常に一社しか受けていないと、その企業だけの情報をもとに「この内定を受けるか?それとも辞退するか?」という、0か100かの判断をするしかなくなってしまいます。
が、比較対象があれば「この中だとどの企業が合いそうか?」「それはなぜ?どの部分が?(→自分が今回の転職で重視したいポイントってそこなのでは?)」などといった判断がしやすくなります。
また、一社しか受けていないと、まだ受けてない企業に対して「もっとよい企業があるのでは?」という漠然とした欲が出て、決めきれなくなってしまうことがあります。そりゃもっといい企業はいくらでもあります、エンジニアを募集している企業はごまんとありますから。
でも、これは極端ですが「GoogleやAppleにはもっといい環境があるはずだ!だからこの内定は辞退しよう」って言うようなものです。入社先を判断をするときに、まだ入社できるかどうかわからない企業を比較対象にするのは結構危険です。もっといい企業があったとして、自分がそこに入社できるかどうかは全然別の話なので…。(もちろん、望めばどんな企業にも入社できるような超スーパーエンジニアの方はこの限りではありませんが)
「複数社の選考を進めるのは大変そう」と思われるかもしれませんが、paiza転職では、スキルチェック問題を解いて規定のランクを取得していれば、書類選考なしで面接に進めますので、効率よくスピーディーに選考を進められます。
「そもそも転職すべきなのか?」を考える
売り手市場が続くと「乗るしかない、このビッグウェーブに」と思いますよね。特に「現職がいやだ、逃げ出したい」と思っている人の場合は…。
ただ、「現職から逃げたい(≒転職できればどこでもいい)」だけで思考停止してしまうと、次に進みたい方向性や、どんな会社に入れば希望がかなうかまで考えが及んでいないため、その先でも同じような問題にぶつかってしまう可能性があります。
実際、転職会議が実施した調査(※)において、「転職先にミスマッチを感じている人」のうち、「労働環境に悩んで転職したのに、転職先でも労働環境にギャップを感じている人」の割合は57.6%という結果が出ています。(ちなみに「人間関係に悩んで転職したのに、転職先でも人間関係にギャップを感じている人」の割合は53.3%です)
あと、転職に成功した同期や同級生に会って「転職はいいぞ」といった話を聞いてうらやましくなったからとか、最近は入社3年以内に辞める人や転職する人が多いって聞くから自分も転職したいとか……周りがうらやましくなっただけで、自分の中に明確な「転職でかなえたい目的」が見えていないうちの転職も、あまりおすすめはできません。
転職さえできれば、誰でも必ず今より幸せになれるかというと、そんなことはないですからね。
売り手市場とか関係なく、自分が「今回の転職でどうなりたいか」が明確になったときが、本当に転職をすべきタイミングなのだと思います。(ただし今すぐ辞めないと心や体がもたないという人はこんな記事読んでないで早く辞めて、辞めてからその後のことを考えてください)
まとめ
というわけで、売り手市場だからこそ転職希望者がつまずきやすいポイントの話でした。
まとめると
- 売り手市場で内定が出やすいからこそ、自分の中に基準がないと選び方に迷ったり後悔したりしやすい
- 内定が出たら期限内に判断を下す作業が発生するので、企業選びの基準やかなえたいことを明確にしておくのが大切
- 一社しか知らないと比較・検討しようがないので、情報は複数社分集めたほうがよい
という感じですね。
企業選びの軸の整理や、内定を承諾すべきかどうか迷うときなどは、paiza転職もお手伝いしますので、ぜひpaiza転職運営事務局の担当者にご相談ください。
またpaiza転職では、求人票を開発ジャンルや使用言語、給与額などだけでなく、イヤホンOK、裁量労働、副業OK、一部在宅勤務可、原則定時退社、時短勤務可、スキル研修が充実…などなど、さまざまな基準や条件で検索することができます。
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