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採用強化の前に社内のエンジニアが辞めない組織を作るべきという話

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Photo by Best Picko

f:id:paiza:20140916135428p:plainこんにちは。谷口です。

ITエンジニアの採用活動って難しいですよね。自社の開発チームを大きくするため、採用活動で苦労されている人事担当の方も多いかと思います。

ただ、苦労してエンジニア一人を採用できたとしても、社内のエンジニアが一人辞めてしまったら…プラスマイナスゼロですよね。

当たり前の話ですが、どれだけ採用に力を入れても、すでに社内にいるエンジニアたちが辞めていってしまえば、開発チームは大きくなるどころかどんどん縮小していきます。

paizaは転職・就職のサービスなので、採用担当の方から「採用活動に力を入れたい」「エンジニアを増やしたい」というご相談を受ける機会は非常に多くあります。ただ、採用を増やすのはもちろん重要なのですが、肝心の「今いるエンジニアが退職せず自社にい続けられること」にも目を向けなければ、いつまでたっても開発チームを大きくすることはできません。

というわけで今回は、エンジニアが会社を辞める要因や、それを防ぐための取り組みについてお話しします。

そもそもエンジニアが辞めるのは悪いことなのか?

当然ですが、エンジニアの退職・転職自体は、何も悪いことではありません。

誰だってやりたい仕事内容や、目指したい方向性が変わることはありますよね。それが今の職場では実現できない、だから転職するしかない…となってしまうのは当然です。

ほかにやりたいことがあるのに転職せず、モチベーションが低いままいやいや現職を続けても、本人はおろかチームの士気まで下げてしまう…などといった事態を招きかねません。

また、ときには家庭の事情でUターンすることになったなど、社員と会社の間ではどうしても解決できない問題も起こりえます。

本人が入社時にどれだけ「この会社に長くいたい!」と思っていたとしても、考えや環境は変わっていくものです。そして、企業がすべての社員一人ひとりの希望に寄り添い続けるなんてことは、現実的には不可能です。GoogleだってAppleだって、毎年何人も退職者が出ています。

エンジニアの退職・転職自体は、何も悪いことではありません。

ただし。短期間にエンジニアが何人も連続して辞めていくような状態なら、組織側に何か根本的な問題があると思ってよいでしょう。

問題があるということは、それを改善する余地がある(かもしれない)ということです。以降、エンジニアが会社を辞めてしまう要因について見ていきましょう。

エンジニアが会社を辞める代表的な要因

技術的な学びがない

エンジニアの方からお聞きする転職理由で多いのが、今の職場では「学びがない」とか「周りのレベルが低い」ということです。

エンジニアは技術が好きで探求心のある方、勉強熱心な方が多いため、仕事を選ぶ際も学びが得られること、興味のある技術が使えることなどを重視している方が少なくありません。

特に優秀な方ほどその傾向が強いわけですが、エンジニアは優秀であればあるほど、チーム内のトップに近づけば近づくほど、周りの人や業務から得られる新たな学びは少なくなっていきます。で、既存の知識で解決できる業務につまらなさを感じ、もっとレベルの高いところ、自分がトップではないチームに行きたいと思うようになるわけです。

優秀な人にばかりタスクが集中している

これも優秀なエンジニアに多いケースです。

エンジニアの業務はその人の適性によって生産性が大きく異なり、たとえばできない人が10人集まって一週間かけても完成させられないシステムを、できる人なら一人で一日あれば作れちゃう、みたいなことが往々にして起こります。

ただ、組織的に「あの仕事もこの仕事もできる人にお願いすればいいや」となってしまうと、優秀な人の負担ばかりが大きくなってしまいますよね。負担が大きくなると、人は組織の理不尽さに不満を感じ「もっと適切なタスク量の職場に行きたい」となるわけです。

優秀な人が辞めたしわよせがきつい

上記のような理由で優秀な人が辞めたあと、何の対策もとられなければ、そのままその配下のメンバーにしわよせが来ます。(まあ対策できるような企業だったら優秀な人も辞めないので、ほとんど必ずしわ寄せは来ます)

そうなってくると、しわ寄せを受けた人たちも辞めていった人たちと同じように辞めたくなってしまうわけです。

勤務時間や勤務場所、報告の強制など制限が大きい

エンジニアの多くは、自由度の低い職場を好みません。

具体的に言うと、リモート勤務が許されない、労働時間の縛りが厳しい(特に用がないときも○時〜○時は出社必須とか)、やる予定・やり終わったタスクや所要時間の報告が強制…などといったことですね。

エンジニアの仕事は、決められた時間で決められたタスクをこなすことではなく、課題解決につながるシステムやサービスを開発することです。実際、エンジニアから人気のある企業、定着率が高い企業の多くは、一部リモート勤務可能、裁量労働制(名ばかりじゃなくて本当の)など、より自由な環境で勤務できる制度を導入しています。だから、優秀なエンジニアからすれば、わざわざ無意味な制限が多い企業にいる意味がないのです。

裁量がない、意見が反映されない

意見が反映されない、何か言っても後回しにされて一向に対応されない、といった状態が続くと、エンジニアはみんな「何か言っても無駄、やろうとしても無駄なら、もう何もしないでおこう(そして黙って転職先を探そう)」と考えるようになります。

そして、晴れて転職先が決まれば、そのまま黙って辞めていきます。言っても無駄なので。

エンジニアが定着する組織を作るには

成長機会の見直し

前述の通り、優秀なエンジニアほど探究心や知識欲が強く、常に学びが得られそうな場所を求めており、これ以上は学びがないと感じる組織からは飛び出していってしまいます。

本当にこれ以上学びがないくらい優秀な人の場合はもう仕方ないかもしれませんが、社内勉強会を実施したり、外部の勉強会への参加補助・書籍の購入補助などを導入するだけでも、エンジニアの学びの機会を強化することはできます。

そういった制度がない企業の場合は、まずここから見直してみてはいかがでしょうか。

評価制度を見直す、評価していることを伝える

エンジニアの仕事が正しく評価されず、不満が上がってきている場合は、評価制度そのものを見直したほうがよいでしょう。

評価制度は、これに沿って評価すればOK、一度決めたらずっとそのままでOKという基準があるものではありません。(だからエンジニアを評価するのは難しいのですが…)企業のフェーズなどに合わせてその都度見直したり、社員の意見を聞いてみたりする必要があります。

制限しすぎている制度や空気感の見直し

前述の通り、リモートワーク(フルは難しくても一部OKとか)や裁量労働制(名ばかりじゃなくて本当の)、細かいところでは開発中のイヤホンOKなどといった制度を導入している企業は多くあります。ありますというか、優秀なエンジニアにとっては、これらは当たり前になりつつあるので、そんな当たり前のことが制限されるような企業は転職活動でもまず眼中に入りません。

そもそもこのような自由度の高い企業は、単に制度だけが自由なわけではなく、背景に「成果が出ていれば自由でよい」という風土があります。評価制度を見直すことでも、自由度を上げてよいポイントは見えてくるはずです。

提案を放置しない

何か言っても改善されず、放置され続けるような組織にいると、どんな優秀な人でも無力感を感じ、やがて何も言わなくなっていきます。

どんな仕事でも、チームでも、永遠に問題なく進んでいく企業なんてありません。不安の声が上がらなということは、チーム間に話しにくい空気が蔓延し、風通しが悪い状態になっていて、端的に言うとチームビルディングができていない状態だと言えます。

むしろ必要なのは、「ちょっとでも気になることがあれば何でも言ってね!」という空気感です。

また、上層部はメンバーが気になっていることを聞いた上で「その問題をどう扱うか」を判断し、伝えるのが重要です。「それはすぐに対応したほうがいいから大至急こんな対策をとるね」とか「今のところそれほど大きな問題ではなさそうだけど念のためこのタイミングになったらこんなアクションを起こすよ」とか。

ただ言ってもらうだけ、聞くだけじゃ意味がないですよね。解決や調査に向けた案を出して、メンバーに「言ってよかったな、これからも何か気づいたら言おう」と思ってもらわないといけません。

まとめ

前述の通り、企業が一人の社員の希望に寄り添い続けることはほとんど不可能ですし、すべてをエンジニアの希望に合わせて変えるなんてことは現実的に考えて難しいとは思います。

ただ逆に、「エンジニアに辞められたって何ひとつ変えられない」なんてこともないはずです。

進化しない組織に優秀なエンジニアはとどまってはくれません。もっとよい組織を求めて出ていくだけです。

企業側は、優秀なエンジニアが長くその力を発揮できる環境を模索し、整え続けていくことが重要なのだと思います。


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