こんにちは。倉内です。
2023年5月8日から新型コロナウイルス感染症は5類感染症となり、生活に変化があった方も多いと思います。仕事の面では、リモート勤務できる日数が減ったり、基本的にはオフィス勤務に戻ったりと徐々にコロナ前の働き方に戻す企業も増えてきました。
ITエンジニアにとっては、リモートワークの可否が転職意向に影響するという調査結果が出ており、実際にリモートワークができなくなったことで転職を検討し始める方もいるようです。
実務経験のあるITエンジニアは引き続き売り手市場ではありますが、希望に合った転職を実現するためには準備も必要です。
そこで今回は、そういったきっかけで転職活動をスタートする方が、どのような準備・対策をおこなうとよいかをお伝えします。
ちなみにpaiza転職では「フルリモートワーク制度のある求人特集」を公開しています。ITエンジニアで転職を考えている方はぜひごらんください!
ITエンジニアのリモートワーク意識調査から
本題に入る前に、冒頭でも触れたリモートワークに関する意識調査(株式会社ギークニア実施)*1について、少し見ておこうと思います。
コロナ禍から現在でフルリモートワークの割合は半減
2022年と2023年(現在)で「週に何日リモートワークをしていた(している)か?」という質問に対して、「5日以上」という回答が2022年は58.3%だったのに対し、2023年は31.8%となりました。
(出典)株式会社ギークニア「ITエンジニアとリモートワークに関するアンケート」より
もちろん週に4日以内でリモートワークをしている方もいるのでフル出社になった割合が増えたかは分かりませんが、フルリモートワークの割合が全体の約6割から約3割に減ったと言えます。
コロナ収束後も8割以上がリモートワークを続けたい
フルリモートワークの実施割合は減ったということでしたが、「コロナ収束後も、リモートワークを続けることを希望するか?」という質問には81.5%が「希望する」と回答しています。
(出典)株式会社ギークニア「ITエンジニアとリモートワークに関するアンケート」より
理由としては、「通勤時間に時間や体力を奪われないのが助かる」「仕事に集中できる」などが挙げられているようで、恐らく多くの方が同意するのではないかと思います。
転職先がリモートワーク不可だと8割以上が転職意向が下がる
「転職をするとして、転職先がリモートワークを不可にしていた場合、転職意向度は下がるか?」には、82.9%が「はい」と回答しました。ちなみに年代別では40代が92.5%ともっとも高い割合になっています。
(出典)株式会社ギークニア「ITエンジニアとリモートワークに関するアンケート」より
また、ITmediaの記事では、会社がリモートワークからオフィスワークへ転換すると聞いて転職を決めたITエンジニアは44.8%という調査結果が紹介されています。
企業全体の傾向として、2022年9月の調査に比べて完全テレワーク制は減少傾向にあり、これを機に転職をという方も少なくはないようです。
なぜ会社は出社させたがるのか
上記の調査は、ITエンジニアの総意ではありませんし、事業形態や会社の規模、フェーズによっても考え方は異なると思います。
ただ、ITエンジニアが比較的リモートワークでもパフォーマンスが出せる職種であるというのは確かでしょう。それにも関わらず、コロナ禍でうまくいっていた制度を取りやめてまで、出社を必須にしたい企業の考えとはどのようなものなのでしょうか?
すでに構築された関係性や文化があるからリモートはうまくいく
対面とリモートの大きな違いは、コミュニケーションの取り方にあります。
特にコロナ禍で急いでリモートを導入した企業では、「ちょっとした雑談がまったく発生しなくなってしまった」「話しかけづらくて分からないことがあっても聞けない状況が生まれている」という話をよく耳にしました。
もちろん社会人なので誰かのサポートを待っているだけではいけないことは分かると思います。会ったことのないメンバーに対してでも、自分からアラートをあげたり、質問したり、成果をアピールしたり、コミュニケーションをとっていかなければなりません。
それを「こういった疑問は◯◯さんに聞いてみよう」「この時間△△さんは手すきだろうな」といった事前情報が頭にない中でもやっていくのは結構勇気が要ります。以前から一緒に働いていた相手でさえ、リモートでのコミュニケーションはときにもどかしさを感じます。
そのため「自分はこれまでもフルリモートで働いていたから問題ない」と思っている人が、フルリモートの転職先で孤独を感じたり、十分経験があるのに成果が出せなかったりすることは珍しくありません。
出社すればすべてが解決とはいきませんが、リモート環境下での大変さは企業もよく分かっているため、出社の割合を高めて効率よく仕事をしてほしいと考えています。
新入社員をリモートで管理や評価するのは難しい
中途採用者でも、業務の過程が見えづらいフルリモートという環境で、お互いをよく知らないチームに入って実力を発揮するのは大変なことです。
同時にマネジメント側も新入社員をフルリモートで受け入れることは難しく、教育や評価にもよりコストがかかると感じており、入社してしばらくはフルで出社してもらう企業も珍しくありません。
もちろんそういったことを踏まえて、現在もリモートワーク(特にフルリモートワーク)を継続している企業も存在します。リモートワークを希望している方は、「そういう企業に行きたい!」と思いますよね。
ただ、スキル・経験が十分あり、企業から「高い条件を出してでもぜひうちに来て欲しい」と思われる人は別にして、転職活動で「リモートワークで働きたい」を前面に押し出すと、思ったよりうまく進まないことに気がつきます。
それは企業が思うフルリモートワークで成果を出せるエンジニアのレベル感が高めに設定されているからです。以下の記事では、そのあたりについてもう少し詳しくお伝えしています。
転職活動の具体的な進め方
「リモートワークができなくなったから転職をしたい」というのは、ひとつのきっかけではありますが、退職理由であり転職理由や志望動機にはなりません。
ここからは、そのことを踏まえて実際に転職活動を進めていくにあたってやるべきことをお伝えします。
スキルチェックでランクを取得しよう
paiza転職は、ITエンジニア求人のみを掲載している転職サービスです。
求人票には通過ランクというものが設定されており、スキルチェックというサービスでプログラミング問題を解いて、そのランク以上を取得しなければ求人に応募できません。逆に言うとスキルや経験を武器に転職活動をしたい方にとっては、ひとつの指標として使っていただけます。ランクやスキルチェックについて詳しくはこちら
マネジメントや研究職などの求人も掲載されているため一概には言えませんが、今後もコードを書き続けたい、スペシャリストとしてやっていきたいと考えている方は、ランクを上げておくと応募可能な企業の幅が広がります。(たとえば、CランクからBランクにアップしたとき、応募可能な求人数は2倍以上になります)
経歴やスキルの棚卸しをして転職の軸を定めよう
自分が転職で何を重視するのか・かなえたいのか、何なら妥協できるのか…など転職の軸となる部分は過去を振り返り、棚卸しをする必要があります。
特に転職をしたことがない方は、履歴書や職務経歴書を書いたこともないと思いますので、それらを埋めるためにも自身の経験を振り返ってみてください。もちろん自己PRや志望動機を考えることにもつながります。
やり方については、以下の記事でも詳しく説明していますのでよければ参考にしてみてください。
プロフィールを埋めてスカウトを受け取ろう
求人を掲載している企業がスカウトメールを送る際、スキルチェックのランクやコード以外に、注目しているプロフィール項目があります。
- スキルPR(経験分野、設計や要件定義、コーディングなど経験のある開発パート、経験のあるプログラミング言語)
- 経歴情報(自分がやってきたこと、得られた経験などの職歴)
- 希望条件(希望勤務地、希望する業務内容・今後のキャリア)
希望条件について、案外企業が見ているのが希望勤務地です。都道府県を選ぶだけなのでサクッと登録しておきましょう。
これらをしっかり登録することでスカウトが届きます。実務経験がある方は多数届く可能性もあるでしょう。
すごいエンジニアばかりが転職に成功しているわけではなく、自分がやってきたこと、強み・弱み(だから伸ばしたい)、希望していることなどを整理して企業へうまく伝えることが大事だと分かると思います。
気になった企業があれば、ぜひカジュアル面談に進んでみてください。paizaのカジュアル面談について詳しくはこちら
応募する企業選びのコツ
paiza転職では、さまざまな条件指定で求人検索ができます。
これらの条件を組み合わせて、興味を持てる求人を探せたら「気になる!」をして企業にアピールしてみてください。
企業側も同じく気になると思えば、特別なスカウトであるプラチナスカウトが届くこともあります。
面接対策をしよう
新卒で就活をした以来面接をしていない、初めての転職もしくは20代で転職をして30代以降では初めてといった方は、しっかりと面接対策をすることをおすすめします。
新卒・20代・30代…と年代によって求められるものは異なりますし、もちろん一次面接・二次面接・最終面接でも質問内容や評価ポイントは異なります。
paizaでは「転職成功ガイド」を公開しており、「エンジニアのための面接対策」としてよくある失敗事例とその対策を紹介しています。面接前にはぜひ目を通していただければと思います。
まとめ
リモートワークから出社へと働く環境が変わる中で転職を検討し始めた方へ、調査結果や会社の考えから、実際に転職活動をするにあたって何をするとよいかまでお伝えしてきました。
コロナ禍ですっかりリモートで働くことに慣れた方でも、新しい環境でいちから人間関係を構築したり、会社や部署、チームの雰囲気や文化を探り探り掴みながら成果を出したりするのは簡単ではありません。そのため、エンジニアを採用している企業相手に「この人ならリモートでも問題ないな」と伝わるような転職活動の進め方をする必要も出てきます。
もちろんそのあたりを踏まえてしっかり転職活動に取り組めば問題ありません。ぜひ希望に沿った転職を実現していただければと思います!
paiza転職では、スキルチェック問題を解いて、スコアが一定基準を超えれば、事前の書類選考なしで求人応募ができます。
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まずはスキルチェックだけ、という使い方もできます。すぐには転職を考えていない方でも、自分のプログラミングスキルを客観的に知ることができますので、興味がある方はぜひ一度ご覧ください。
*1:2023年4月28日~5月11日に調査を実施、ITエンジニア211名が回答