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こんにちは。倉内です。
これまで「自社でリモートワークを導入するのは難しい…」と考えていた企業もコロナ禍で必要に迫られ、思い切って実施したというケースは多いのではないでしょうか。
ただ、周りを見てみるとここ最近は原則出社となり、時差通勤をしている方もいるものの、完全に元の働き方に戻った方も多いようです。
ITエンジニアに特化した転職サイトを運営する「paiza」が、7月に社会人ユーザーを対象に実施した「新型コロナ後の働き方に関するアンケート」では、約1,200名からご回答をいただき、特に「今後転職時にリモートワーク制度があるかを判断材料とする」と答えた人は全体の約9割で、中途採用を実施する企業にとっては無視できない結果となりました。
今回はそのアンケート結果をもとに、これからのエンジニア採用で企業側が押さえておきたいポイントについてお伝えしていきます。
アンケート実施概要
アンケート対象:paizaご利用中の社会人ユーザー
有効回答数:1,220名
調査期間:2020年7月13日(月) 〜 2020年7月27日(月)
回答ユーザーのうち開発系のエンジニア職(Web、アプリ、組み込みなど)が63.5%、開発系以外のエンジニア職(インフラ、プロジェクト管理など)が13.4%、その他の職種の方が23.1%でした。
所属する企業の業態としては、自社サービスが28.0%、受託・SES事業が49.8%、その他22.2%という内訳でした。
コロナを経たユーザーの転職に対する意識の変化
緊急事態宣言発令時に勤め先がフルリモートもしくは一部リモートを実施していたと答えたのは全体の約87%(815名)でした。
その中で「コロナ以前からリモートワークをしている」と回答したのは5%(41名)にとどまったため、今回初めてリモートで業務をおこなった方も多いようです。
ここでは、リモートワークを経験し、転職に関する意識が変わったかという点に注目してみます。
コロナ流行前と比べて、転職への意識に変化はあるか
今回、リモートワークをいち早く取り入れ、リモートにおける課題や問題点を素早く解決できた企業となかなかそれができない企業とでかなり差があったのではないかと思います。
アンケート結果では、「変化なし」が半数ながら、「転職したい気持ちが強まっている・やや強まっている」と回答した人は34.4%となっています。
こういった状況下でないと見えてこなかった、自社の変化への対応力や柔軟性のなさに少なからず落胆している人もいるのかもしれません。
今後「リモートワーク制度があるか」は転職の判断材料となるか
「意識する」「少し意識する」と答えた人を合わせると9割近くという結果になりました。
転職は新たなことにチャレンジしたい、ステップアップ・キャリアアップしたい気持ちがあってこそだと思いますが、求職者が複数社を比較した場合に「リモートワーク制度があるか」が判断材料となることは結果から明らかです。
特に企業間で取り合いになるような優秀なエンジニアにとっては、転職先は自らが選べる立場であるため「リモートワークは基本的に認めていない」企業が選ばれるのは難しいと言えます。(もちろん、業務内容や扱っている技術に唯一無二の魅力があるような企業は別だと思いますが…)
今後興味がある企業がフルリモート可であれば、所在地にかかわらず応募してみたいと思うか
リモートワークを経験して感じている方も多いかもしれませんが「オフィスの所在地と居住地はある程度近いほうがよい」という概念がコロナ禍で壊れたような気がします。
アンケートの「所在地に関わらず転職先として応募してみたいか?」という質問には、「積極的に応募してみたい」が23.6%、「業務内容や条件によっては応募してみたい」が62.8%となりました。
実際地方へ引っ越したという方もお見かけしますし、逆にこれまでは転職活動のために足を運ぶのが難しかった地方在住の方が東京の企業へ転職されたケースもあるでしょう。
また、知人の例ですが、都内のオフィスに出勤できる人を条件にエンジニア採用をしていたのが、コロナ後は世界中からWeb面接のみで採用するようになって以前より採用が捗っているとのことでした。(時差があるため業務時間があまり被らないけど特に支障はないと言っていてすごいな…と)
以下はエンジニアに限った調査ではありませんが、やはりリモートワークを経験した人ほど「地方移住」に関心が高くなっている結果も出ています。
(参考)「割と快適に暮らせています」新型コロナ移住した人たちの現状と模索【#コロナとどう暮らす】(江口晋太朗) - 個人 - Yahoo!ニュース
今後の業務はリモートワークでやりたいか
転職意思とは関係なく、リモートワークを経験した人のうち95%が今後もリモートワークで働きたいと考えているということが分かりました。
企業としては、フルリモートの導入が難しい場合でも状況に応じて社員が選択できるなど柔軟な対応が求められるでしょう。
リモートワーク時に不便に感じていたこと
つづいて、転職からは少し離れますが、リモートワークを経験した人がどんなことを不便に感じていたか見てみます。
運動不足は自分でどうにかしないとな…と思い当たる節があるので反省しつつ、リモートワークでオフィスと同様のパフォーマンスを出すためには自宅の環境整備が必要になる場合がほとんどです。
「デスクや椅子・モニタなどが整っていない」「光熱費が上がってしまう」を選んだ方が一定数いましたが、それに対して「会社からの補助はなかった」と回答した人は圧倒的に多く77%にのぼりました。
一部でも補助があれば転職者にとっては魅力的に映るはずですので、通勤手当や社食の利用経費がなくなった分があれば検討してみるとよいと思います。
また、「集中力を維持できない」などリモートワークに慣れないうちはどうしてもパフォーマンスが出しづらい人もいます。合わせて「マネジメントが難しい」「社内でのコミュニケーションの質が下がる」といった課題にも全社的に取り組んでいく必要があります。
リモートワークで積極的にやるようになったこと
最後にリモートワークができるようになり通勤の時間がなくなったなどで自分の時間が持てるようになった方がどんなことをやっていたかを聞いてみました。
業務に関する勉強に取り組めるようになった人が30.3%、業務と関係ない分野の勉強に取り組めるようになった人が29.4%という結果になりました。
エンジニアにとって業務に直接関係する・しないに関わらず、勉強できる時間を持てることは結果的に仕事へのアウトプットの質の向上にもつながります。
家族との時間を持てるようになったという回答も一定数あり、仕事とプライベートの充実という点においても、リモートワークがよい方向に働いたといえる結果ではないでしょうか。
このような時間を確保でき、そして充実させられることで、企業への帰属意識が高まると言っても過言ではありません。
まとめ
paizaが実施したコロナ後の働き方に関するアンケート結果から、現役ITエンジニア、IT業界に興味のある社会人ユーザーの現在の転職に関する考え方などを見てきました。
初めてリモートワークを導入する際にはさまざまな課題があり、社員が安定して成果を出せるか、マネジメントや評価が正しくできるかといった簡単には解決できないものもあります。
しかし、だからといって「また出社に戻せばいいや」と安易に考えてしまうと、課題を解決し適切に制度を運用している企業との差がはっきりと出てしまいます。
エンジニア採用、特に経験者の採用は引き続き難易度が高く、採用担当の方も苦労が尽きないことと思いますので、ささいなことだと思わず働く環境の整備にも取り組んでいく必要があるでしょう。
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